事例 駐在員の一時帰国長期化による税務上の論点(2021.4.12)

【ご相談内容】

ベトナムの現地法人に出向している者を、コロナの関係で日本に一時帰国させています。昨年の冬に帰国しているため、今年の夏前に半年になります。半年ルールというものを聞いたことがあるのですが、6ヵ月を超えた場合、当該社員の給与所得の源泉徴収はどのように扱えばいいのでしょうか。


【ご回答】

半年というのは、短期滞在者免税の判断基準です。今回の場合、当該従業員が居住者か非居住者かの判断が重要なポイントになります。1年以上国内に住所を有する者を居住者といいます。したがって、居住者であるかどうかは、当該従業員の住所が問題になるということです。その住所は、住居、職業、生計を一にする配偶者その他の親族、資産の所在などの客観的事実に基づき判定するとされています。

コロナウイルスによる退避が感染終息までの一時的なものであり、感染が終息したらハノイに戻るとされている限り、原則的にはこの従業員の生活の本拠が移動したとまでいえず、退避期間中も引き続き国内に住所を有さない者=非居住者に該当すると考えられます。感染の終息が見通さない等の理由で赴任を解除した場合は、その日から居住者になります。

ただし、あくまでも一時的なものだとしても、1年以上退避が継続した場合、一時退避が1年を経過した日から居住者として扱われることに注意してください。当該従業員の場合、本年の冬までは、非居住者ということになります。

非居住者の間は、日本国内での勤務に基づく報酬のみ源泉徴収の対象になり20.42%の源泉徴収が必要になります。居住者になった場合は、その日から、他の従業員と同様に源泉徴収することになります。

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