事例 移転価格税制の改正に伴う金融取引のルールについて(2023.3.20)

【ご相談内容】

移転価格税制のルールが改正され、その中で海外子会社への貸付金の金利について、計算方法が変わったと聞きました。どのように変わったのか、またいつから適用なのか教えてください。


【ご回答】

 移転価格事務運用指針という税務署内の取り扱いルールが昨年変更になっています。あくまでも税務署が調査の現場で、こういうものはこう扱いなさいというルールをまとめたものなのですが、税務署がそのように扱う以上、企業もそれに従わないと課税されるリスクがあると考えた方がよいです。

 その中で、海外子会社の貸付金の金利については、当該海外子会社のリスクに基づく評価をして、その評価に見合う金利をもらうべきだとされました。この評価は、ムーディーズやS&Pが行うような評価で、信用リスクを多段階に分類するものとしています。

 しかしながら、その評価方法の詳細や、評価のランクと金利の関係については明示されていません。評価は、現地のコンサルタントにしてもらうしかないと考えます。そのコストは、数十万円~数百万円と高額になることが思われるし、算出された金利は中小企業の現地法人の場合、企業規模や平均的な利益からするとかなり高い金利になると想定されます。

 現時点では、大企業でも対応に困っている状況です。したがって、中小企業は、今後、大企業がどのように動くかを見ながら順次金利の見直しをしていくしかないと思います。

 また、一部は、貸付金を資本に切り替えて、金利の対象としないようにするということも考えていく必要があります。

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