海外現地法人に出向して、5年になる社員がいます。出向当初より毎月固定分を現地通貨で支給し、残りを円で支給しています。今回、為替が当時の1.5倍になっており、この影響をどう調整すれば、不公平感がない給料水準になるでしょうか?
【ご回答】
1.赴任時のレートを固定する方法
例えば「100ドルは、赴任時には11万円相当の生活費だった」とみなし、その円相当額を日本側給与から控除します。実際には現在のレートで100ドルを支給するので、会社は赴任当時より多い金額を負担するが、社員側は常に「100ドル+残りの円額」という構造が一定で、不足感が出にくいと思われます。社員は現地生活水準が為替に左右されにくく、心理的な不安が小さいが、円安が進むほど会社負担が膨張するデメリットがございます。
2.定期レート見直し
レートは「毎年○月の社内基準レート」として更新し、そのレートで円相当額を算出して、日本側給与から控除します。例えば「前年平均レート」や「直近3か月平均レート」を使い、急変動のショックをならします。外資系・グローバル企業でもよくある運用方法です。社員は、突発的な為替ショックは平準化され、数年単位で徐々に調整されるので納得感が出やすいです。しかし、レート改定のたびに「手取りが減った/増えた」という感情が出るので、ルールの事前説明が重要となります。
3.現地生活費のみレート保護(Split Pay+部分保護)
海外現地法人での支給額は「現地生活費(家賃・食費等)」に対応する部分と位置づけ、ここはレートの変動から守ります。こちらは額面固定で支給し、その裏にある日本側控除額は、例えば「110円と150円の中間(例:130円)」など、社内基準レートで算出し、社員と会社でレート差分を折半します。生活費部分は極端な為替リスクから守られつつ、全てを会社負担にはしない「折衷案」として説明しやすいです。
以上、よく見られるパターンを説明しましたが、「不公平感」を抑えるためには、ルールを「個人ごとの交渉」ではなく、「駐在員全体に共通のポリシー」として文章化しておくことが重要です。①生活費としての必要額、②日本側生活・貯蓄分、③為替変動のどの部分を会社が負うか、を整理し、具体的な数字例を用いて説明することが必要になります。
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